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2009年01月18日(日) 02時33分

<演歌>車椅子の歌手が誓う「紅白」…濱田美愛さんデビュー毎日新聞

 手足をほとんど動かせない重い障害がある東京都多摩市の濱田美愛(みあ)さん(27)が、プロの演歌歌手として歩み始めた。23日に渋谷区のライブスタジオで開くチャリティーコンサートを皮切りに、活動を本格化させる。描いた夢を何度もあきらめながらも前向きに生き抜いてきた濱田さん。「力強く歌って、たくさんの人を笑顔にしたい」と意気込んでいる。

 ◇亡き母にささぐ演歌の道

 宮崎県佐土原町(現宮崎市)に生まれ、5歳で脳水腫を患い、両手足の自由が利かなくなった。養護学校小学部と中学部の文化祭で主役を演じたほどの芝居好きで、女優になりたかった。しかし高等部1年になると障害がさらに重くなり、あきらめざるをえなかった。

 パソコンを使って絵を描くことが好きだったのでファッションデザイナーになろうと思い立ち、勉強を重ね、地元大学への推薦入学が内定。ところが今度は母美保子さんが胃がんと診断され、大学への通学に必要な介助を受けられなくなった。

 大学進学をあきらめて養護学校を卒業。就職先が見つからず、介護を受けるためデイサービス施設に通った。カラオケの時間が毎日あり、小さなころから母とよく演歌を歌っていたのでマイクを握ったところ、周囲の高齢者たちから喝采(かっさい)を浴びた。その母が03年9月に52歳で亡くなり、葬儀で新たな挑戦を誓った。「演歌歌手になって紅白歌合戦に出る」

 05年に友人を頼って上京。芸能事務所のオーディションに37回落ちたが、38回目でリノレコード(台東区)が関心を示し、昨年2月から歌の訓練を受け始めた。秋葉原などの路上でも車椅子姿で歌い、のどを鍛えた。今月、ついにプロ契約にこぎ着けた。自ら作詞を手がけたオリジナル曲「つばさ」に、これまでの思いを込めた。

 さぁ

 恐れず

 自立目指して

 明日へ

 明日へ

 羽ばたこう

 チャリティーコンサートは23日午後6時半から、渋谷区神南2の「SHIBUYA BOXX」で。料金は3000円。収益の一部は障害者支援団体に寄付される。問い合わせはリノレコード(03・3835・3776)。【木村健二、写真も】

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