「親に負担をかけられない」。大学入試センター試験が始まった17日、中国地方で「決戦」に挑んだ受験生の間では、国公立大を志望する声が目立った。受験会場に景気後退の世相がにじんだ。
広島市南区の県立広島大で受験した舟入高3年田村直哉さん(18)は、国立大への現役合格にかける。「経済的理由。2日目も平常心を心掛けたい」。松江市の島根大会場で、松江東高3年坂本太智さん(18)は「親に『受けるのは国公立にしてくれ』と言われている」と打ち明けた。
地元への進学希望も根強い。安佐南区の広島修道大で受けた国泰寺高3年川元風薫さん(18)は「親元から通えば負担が減らせる」。福山市の市立女子短大会場の大門高3年掛谷龍介さん(18)も「実家に近く、授業料の安い国立大に行きたい」と表情を引き締めた。