記事登録
2009年01月18日(日) 00時46分

困難克服へ団結訴え=リンカーン流を演出−オバマ次期米大統領時事通信

 【ワシントン17日時事】20日に第44代米大統領に就任するバラク・オバマ氏は一連の記念行事を通じ、経済危機とイラク、アフガニスタンでの2つの戦争という困難の克服に向けた国民の団結を訴える。17日には、奴隷解放を宣言したリンカーン第16代大統領の1861年の就任時に倣い、東部の諸都市で遊説しながら列車でワシントン入りする。
 オバマ氏は17日午前(日本時間18日未明)、出発地の古都ペンシルベニア州フィラデルフィアで演説。リンカーンの歴史的演説の一節を引用しながら、「人民の人民による人民のための政府は不屈だ。われわれは国をまとめる作業を成し遂げる」と強調した。この後、バイデン次期副大統領の地元デラウェア州やメリーランド州で集会を開き、夜(同日午前)に就任式の舞台ワシントンに到着する。
 オバマ氏は、弁護士、イリノイ州議会議員という共通の経歴を持つリンカーンを敬愛し、2007年2月の大統領選出馬表明もゆかりの地の州都スプリングフィールドで行った。リンカーン流の列車の移動で、大統領への道のりの「ラストラン」を演出する。南北戦争を経て米国統合を果たしたリンカーンにあやかり、人種や党派を超えた団結の意識を高めるのが狙いだ。
 18日にはワシントン市内のリンカーン記念堂前で、「わたしたちは1つ」をテーマに、スティービー・ワンダーさんら一流アーティストを集めてコンサートを開く。この場所で人種差別撤廃を求める名演説を行った公民権運動指導者、故キング牧師の息子も参加する。19日には、選挙戦を争った共和党のマケイン上院議員らと夕食会を開き、超党派の協力をアピールする。 

【関連ニュース】
〔特集・米大統領選〕オバマ氏勝利・次期大統領の素顔とは
〔写真ニュース〕「日本を追い越せ」=オバマ氏
〔写真特集〕米大統領選 バラク・オバマ氏
「誇りをもって去る」=ブッシュ大統領、最後の週末演説
地デジ移行、6月に延期か=政権移行チームが混乱懸念

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090118-00000005-jij-int