中央大後楽園キャンパス(東京都文京区)で理工学部教授の高窪統(はじめ)さん(45)が刺殺された事件で、発生当日の今月14日は今年度の通常講義の最終日だったことがわかった。
15日以降は補講や試験が予定され、教員が確実に出勤するのは14日が最後だったという。警視庁では、こうした学内のスケジュールを犯人が知っていた可能性もあるとみている。
同大関係者によると、高窪さんが後期に講義を持っていたのは毎週火、水、木曜で、14日の水曜が最終日だった。この日、高窪さんは午前10時40分からの講義に備えて午前10時頃に出勤。10時10分頃に1号館4階の教授室に荷物を置き、部屋の施錠を済ませてトイレに行った際に襲われたとみられている。当時、教授室や、同じ階にある高窪さんの研究室、ゼミ生用の部屋には誰もいなかったという。
一方、犯行現場となったトイレを廊下側から見た場合、薄暗くて中の様子は見えにくいことが警視庁の現場検証などで判明した。今までもエレベーターや女子更衣室付近に防犯カメラが設置されていたが、1号館には一台もカメラがなかったという。
このため同大では、後楽園キャンパスに防犯カメラ22台を増設することを決定。引き続きキャンパス内への入場者に身分証を提示させることや、当面は研究室の夜通しの使用を禁止することも決めた。
また、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などが同学部の学生らに起きる事態を懸念し、週明けから、心理カウンセラーの個人面談を実施したり、相談窓口を設置したりする。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090118-OYT1T00032.htm