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2009年01月18日(日) 04時00分

「西松」幹部にパー券購入依頼、政治家「隠れみの」認識か読売新聞

 準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)が二つの政治団体を使って企業献金をしていた問題で、政治家側から政治資金パーティー券を購入する際、本社や支店の幹部らが窓口になっていたことが分かった。

 政治家側はパーティー券に番号をつけて管理しているケースが多く、後で政治団体から購入代金が振り込まれても、同社への販売分だと分かる仕組みになっていたという。政治家側も西松建設が政治団体を隠れみのにしていたことを認識していた可能性が出てきた。

 西松建設はOBを代表にした政治団体「新政治問題研究会」(1995年設立)と「未来産業研究会」(99年設立)を通じ、解散する2006年までに献金やパーティー券の購入費など総額約4億7800万円を支出。このうち、両団体名義で購入したパーティー券は9000万円前後に上る。

 複数の同社関係者によると、同社は本社の役員や支店長クラスの幹部らを、国会議員や自治体の首長の窓口にし、パーティー券の購入要請を受けていた。政治家と同郷、同窓の幹部が担当になるケースもあった。元幹部は「自分が担当した政治家の場合、秘書がパーティー券を会社へ郵送したり、自分の所へ直接持ってきたりした」と明かす。

 政治家側から購入要請を受けた幹部らは、パーティー券の枚数と金額を同社総務部に文書で連絡。最終的に同部が購入する枚数を決め、政治団体の代表である西松OBが代金振り込みの手続きをしていた。

 一方、政治家側はパーティー券にあらかじめ番号を割り振って管理しており、西松建設の担当者に対して、パーティー券と一緒に、番号を記載した振込用紙を渡すケースが多かった。指定口座に政治団体名義で代金を振り込んでも、振込先にこの番号が伝わるので、政治家側は西松建設に渡したパーティー券の代金とわかるようになっていた。

 西松建設の元幹部は「ある国会議員の秘書から『新政治問題研究会からの振り込みになっているが、券の番号によると西松建設に配ったものではないか』と尋ねられ、『それはうちだ』と答えた」と証言。また、「担当した政治家の秘書に、『二つの政治団体が振り込んだのは、西松建設の金だ』と説明したこともある」と語った。

 総務部が購入枚数と金額を決めていたのは、複数の幹部が同じ政治家側から別々にパーティー券購入を依頼された場合、政治資金規正法が定める一つのパーティーあたりの購入限度額(150万円)を超過する恐れがあり、調整する必要があったためだという。

 04〜06年の政治資金収支報告書に、二つの政治団体のいずれかにパーティー券を購入してもらったと記載していた政治家や派閥などの政治団体は少なくとも12あった。読売新聞が西松建設と両団体の関係を知っていたかを取材したところ、「全く知らなかった」「収支報告書に記載した通り」などの回答だった。

 同法は、他人名義でのパーティー券購入や代金の受け取りを禁止している。

 東京地検特捜部もこれまでに、両団体の代表者の自宅を捜索し、西松建設の献金の実態を調べている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090118-OYT1T00067.htm