2009年01月18日(日) 21時00分
朝青龍、土つかずで勝ち越し「一息ついた。安心した」(産経新聞)
大相撲初場所8日目(18日、両国国技館)前日に鬼の形相で嘉風をにらみつけた朝青龍が、この日は心優しい一面をのぞかせた。取組後、右ひざを傷めて立ち上がれない安美錦に歩み寄り、手を差し伸べる。土つかずで勝ち越しを決め、精神的にもゆとりが出てきた証といえる。
支度部屋でも安美錦を気遣い続けた。「大丈夫だったか」と報道陣に逆取材し、「いつもならすぐに立つのに、なかなか立ち上がらなかった。心配だなぁ。ケガは嫌だから頑張ってほしいよ」としんみり。難敵を撃破も、後味は悪かった。
相撲は完璧(かんぺき)だった。立ち合いで1度突っかけられても、まったく動じない。2度目の立ち合いで踏み込み、安美錦の右腕を抱えるようにして前に出る。土俵際で何とか左へ回り込もうとする相手を、構わず豪快に押し倒した。
「前に出たいい相撲。直前に横綱(白鵬)がいい相撲を取った。それをみて気迫を感じたのが、勝ちにつながった」。前日の取材拒否は撤回。逆境でも強気な姿勢を崩さない横綱が、「一息ついた感じだね。安心した」と本音も漏らした。
初めて場所中の両国国技館を訪れたという54代横綱輪島の輪島大士さんも、完全復活に太鼓判を押す。「元に戻った。横綱の相撲だったし、心配ない」。残す相手の多くは手の内を知り尽くしてもいる。いまや有力な優勝候補といっていい。(奥山次郎)
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