オバマ次期米大統領は17日、特別列車で首都ワシントン入りした。20日午前(日本時間21日未明)に連邦議会議事堂で就任式が行われ、第44代大統領に正式に就任する。
米独立宣言が採択された東部の古都ペンシルベニア州フィラデルフィアを特別列車で出発、停車地で演説を行った。奴隷解放を宣言し、オバマ氏が尊敬するリンカーン元大統領が1861年にフィラデルフィアから列車で首都入りし、就任式に臨んだ故事に倣った演出。一連の就任祝賀行事の幕が開き、初の黒人大統領を迎える米国は祝賀ムードに包まれる。
オバマ氏は出発に先立ち、フィラデルフィアの鉄道駅構内で演説し「今回の大統領選は米国変革への終点ではなく出発点だ」と述べ、経済危機など「空前の困難」の克服に向け、人種や思想を超えて連帯しようと国民に呼び掛けた。
特別列車「オバマ・エクスプレス」には、妻のミシェルさんと2人の娘も同乗。最初に停車したバイデン次期副大統領の地元デラウェア州ウィルミントンの駅前では、オバマ氏とバイデン氏が数千人を前に演説し、市民からは17日に45歳となったミシェルさんへ「ハッピーバースデー」の大合唱が起きた。
その後バイデン氏夫妻が乗車。列車は所々で速度を落とし、オバマ氏らが沿道の市民の歓声に手を振って応えた。
二つ目の停車駅となった米国歌誕生の地、メリーランド州ボルティモアには氷点下10度前後の寒さの中、3万5000人の聴衆が集まった。オバマ氏は「米国が今必要としているのは新たな独立宣言だ。市民のための政府をみんなでつくろう」と演説、喝采(かっさい)を浴びた。
オバマ氏はフィラデルフィアでの演説から約9時間後、約220キロの行程を終えワシントンに到着。宿泊先のホワイトハウス前の大統領迎賓館ブレアハウスに入った。
ワシントンでは18日、大物スターらが出演する無料の祝賀コンサートが開かれるほか、舞踏会などのイベントが連日繰り広げられる。(共同)
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