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2009年01月18日(日) 00時02分

ホワイトハウスも「変革」へ、オバマ氏登場待つワシントン読売新聞

 バラク・オバマ次期米大統領(47)の20日の就任宣誓式まであと2日。舞台となる首都ワシントンでは、米史上初の黒人大統領の登場に、熱い視線が集まっている。

 オバマ氏は「変革」を掲げて大統領選を勝利したが、ホワイトハウスの雰囲気も様変わりしそうだ。

 14日午前9時半、先導役の白バイがエンジンをかけると、辺りが急に騒がしくなった。ホワイトハウスの目の前にある高級ホテル「ヘイ・アダムス」から黒っぽいコートを着た長身の男性が黒塗りの大型SUV(スポーツ用多目的車)に乗り込むのが一瞬、見えた。後続のパトカーがサイレンを鳴らし、シークレットサービスが乗った10台もの車列が動き出した。オバマ氏の出勤風景だ。オバマ氏の仮住まいは、20日のホワイトハウス入居まで続く。

 車列は赤信号でも、他の車を止めて突き進んだ。武装警官が窓越しに小銃を構える。だが、ひと目見ようと集まった観衆は、笑顔で手を振った。「オバマ大統領で、アメリカも変わりそうね」。沿道の中年女性が言う。

 ホワイトハウス敷地内に入った。観光客にも知られる本館のわきに、箱形の地味な建物がある。大統領と側近が執務するウエストウイングだ。引っ越し作業に追われるペリノ報道官は、「同僚と別れるのが寂しい」とこぼした。代わってこの建物のどの部屋に誰が入るかが今、政界の一大関心事となっている。

 ホワイトハウスの元高官は、「歴代政権で、側近たちは大統領に近い大きな部屋を奪い合ってきた」と証言する。ホワイトハウスでは大統領との近さが力のすべて。部屋割りは権力構造を読み解く重要なカギなのだ。

 今回、秘書を除き大統領執務室に最も近い部屋は、側近のアクセルロッド上級顧問が押さえた。その先にある大きな角部屋には、エマニュエル首席補佐官が入る。2人はいずれも、オバマ氏の地元シカゴで交友を深めた人物。記者会見場の外で中堅職員が、「ここではボスが代われば、仕事のやり方もすべて変わる」と述べ、「シカゴ人脈」の新ホワイトハウスに期待と不安を口にした。

 ホワイトハウスは、“職住一致”で、オバマ一家の私生活も興味を呼ぶ。敷地内にはプールやボウリング場まである。ホワイトハウス詰め米国人記者は、「現大統領が使わなかったバスケットボールの施設は荒れ放題。新政権の優先課題は、コートの改修だ」と裏話を明かした。妻ミシェルさんの母親も同居し、10歳と7歳の娘の世話に当たる。「3世代同居」で、居住スペースは一転にぎやかになる。今春にも飼い始める犬の選択は、米3大テレビが取材合戦を繰り広げる国民的関心事だ。(ワシントン 本間圭一)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090117-00000064-yom-int