イスラエル政府は17日夜(日本時間18日未明)、イスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザへの大規模攻撃に関する治安閣議を開く。イスラエルの主要メディアは、オルメルト首相が閣議後に国民向けの声明を発表し、一方的停戦を宣言すると報じた。ガザ情勢は重大局面を迎えた。
停戦宣言は、軍が一定期間ガザ駐留を継続することが前提とみられる。ハマス内部では宣言への対応について見解の相違が出ており、ハマスが攻撃を停止するかは不透明だ。
ロイター通信によると軍は同日、ガザ北部の国連学校を砲撃し子ども2人が死亡。国連施設攻撃が相次ぎ国際社会の停戦圧力は高まっている。先月27日の大規模攻撃開始以来のパレスチナ人の死者は少なくとも計1201人となった。イスラエル政府高官はロイターに、同国はハマスとの合意なしにガザへの攻撃を停止する計画だ、と述べた。
イスラエルはこれまでの作戦で「ハマスに新たな攻撃を思いとどまらせるほどの大打撃を与えた」(治安当局)と判断。ハマスが待ち伏せ攻撃を準備する市街地への侵攻は避け、自軍の被害を最小限にとどめ「勝ち逃げ」する戦略ともいえる。
エジプトの停戦調停は、ハマスが軍の即時撤退などを主張したため難航。イスラエルは停戦の第一条件としていたガザへの武器密輸防止策について、米国主導の国際的な態勢づくりで合意し、訪米したリブニ外相が16日、米国との覚書に調印。ハマスの対応にかかわらず攻撃を停止できると判断したもようだ。(共同)
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