東京都町田市真光寺町の鶴川サナトリウム病院(医療法人財団明理会経営、内科と認知症治療主体の精神科など)は17日、入院患者77人と職員24人の計101人が今月、相次いでインフルエンザを発症、女性患者3人が死亡したと発表した。都は既に同病院を立ち入り検査し、院内感染の再発防止徹底を指導している。
日野研一郎院長は17日夜、記者会見し「心配とご迷惑をかけ、おわびする」と謝罪した。院長も感染したという。
同病院によると、3日に20代の女性職員がインフルエンザに感染。6日以降、11ある病棟のうち7病棟の入院患者らに広がった。
亡くなった3人は認知症で寝たきりの100歳、認知症の85歳、脳梗塞(こうそく)の後遺症などがある77歳。いずれも9日に発熱し、タミフルや抗生剤の投与を受けるなどしたが、高齢の2人が11日に、77歳の女性が16日に死亡した。
17日現在、感染者のうち、熱があるのは34人(患者32人、職員2人)で、84歳の男性患者1人が肺炎を併発して重症という。
同病院は年末年始で患者や職員の外泊、患者への面会が多かったことが感染の要因の一つとみている。
感染した患者77人のうち68人、職員24人のうち21人がインフルエンザのワクチンを接種していた。死亡した3人のうち、77歳の患者は接種を受けていなかった。
東京都福祉保健局によると、町田保健所が7日に病院から連絡を受け、拡大防止を指示した。立ち入り検査したのは2人死亡後の13、14日。感染の拡大について、福祉保健局は「対応が適当だったか確認する」としている。
同病院の入院患者は17日現在、448人(精神科病棟264人、内科・療養病棟184人)。多くは認知症で平均年齢83歳。ホームページによると、同病院開設は1973年。
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