政府、与党は十七日、二〇〇九年度予算案の関連法案が年度内に成立しない事態を想定し、関税の軽減措置などを延長するための「つなぎ法案」を月内に提出する方向で検討に入った。
一時的な失効による国民生活の混乱を避けるのが狙い。ガソリンの暫定税率の期限切れをめぐり野党に主導権を握られた昨年の通常国会の反省もある。今回は失効すれば値上がりする措置が多いため野党は抵抗しないとの見方もあり、与党は出方を見極めて提出を最終判断する考えだ。
「つなぎ」の対象となっているのは、税制改正法案や関税定率法改正案など。年度内に成立しなければ、住宅や土地の登記にかかる登録免許税の軽減、牛肉を輸入する際の関税に関する軽減が三月末で期限切れになる。
与党は関連法案について、予算案とともに二月二十日ごろまでに衆院通過させる方針。野党が参院で採決に応じない場合、憲法の規定により六十日の経過を待って衆院で再可決するケースも予想され、期限切れの可能性が高まる。
このため再可決が可能になる四月中旬をにらみ、各措置を一—二カ月延長する案が浮上した。つなぎ法案を提出する場合、議員立法で一月下旬に衆院を通過させ、野党が参院で六十日間抵抗しても年度内に成立できるようにする構えだ。
昨年の通常国会ではガソリンの暫定税率を維持するため、与党が「つなぎ法案」を議員立法で提出したが、衆参議長のあっせんを受け入れて撤回し、暫定税率は失効。道路特定財源以外の租税特別措置に関しては、混乱回避のため与野党が合意して三月末に「つなぎ法」を成立させた。