国会は十九日から参院予算委員会に論戦の舞台を移し、総額二兆円の定額給付金を盛り込んだ二〇〇八年度第二次補正予算案をめぐる審議に入る。与党は二十三日の参院本会議で二次補正と関連法案の一括採決を目指しており、採決日程をめぐる与野党の攻防も激しくなりそうだ。
予算委は十九、二十両日に麻生太郎首相と全閣僚が出席して基本的質疑を行う。与党側は二十二日に締めくくり総括質疑と採決、関連法案も参院財政金融委員会など三委員会で採決した後、二十三日の参院本会議でまとめて採決する方針。
これに対し民主党は「出口(採決日程)は一日一日の戦いの中で決める」(鳩山由紀夫幹事長)として審議状況に応じて判断する姿勢だが、自民党は野党が採決に応じなければ、衆院で〇九年度予算案の並行審議も辞さない構えをちらつかせている。
一方、民主、社民、国民新三党は二次補正から定額給付金を切り離す修正案を参院にも提出する方針で、政府の二次補正と関連法案は野党多数の参院で否決される見通し。
しかし二次補正は憲法の規定で衆院の議決が優先され、政府案通り成立。関連法案は衆院本会議で三分の二以上の与党の賛成で再可決、成立することになる。この際、自民党内から新たな造反者が出るかも焦点だ。
民主党は予算委などで定額給付金の撤回を求めるとともに、深刻化する雇用問題、消費税増税問題などを取り上げて政府、与党を追及する。