海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故の海難審判で、横浜地方海難審判所(
審判では、あたごのずさんな航行実態が次々と明らかにされ、審判所は、安全運航の徹底を求める「勧告」を、被告に当たる海自側の「指定海難関係人」に出す見通し。組織責任にどう言及するかが最大の焦点。検察官に当たる審判所の理事官側は「あたごに主因がある」と主張し、海自側は「主因は漁船」と反論、原因についての判断も注目される。
海自組織へ勧告すれば、一九八八年に発生した海自潜水艦「なだしお」と釣り船の衝突事故をめぐる海難審判の一審以来、二例目となる。
「指定海難関係人」は、あたごの前艦長
審判では、理事官側が「あたごの動静監視不十分が事故の主因」として海自側の五者すべてへの勧告を審判所に請求。海自側は「急に右転し、加速した清徳丸に主因がある」と指摘し、事故後に安全指導を徹底したとして勧告は不要と主張していた。
事故は昨年二月十九日に千葉県の野島崎沖で発生。清徳丸の