2009年01月18日(日) 14時25分
オバマ氏に「被爆体験聞いて」=元資料館館長が訪問要請−広島(時事通信)
「広島に来て被爆体験を聞いて」−。広島市中区の平和記念資料館元館長の高橋昭博さん(77)は、オバマ次期米大統領に広島訪問を訴える手紙を送った。「究極的な核廃絶の追求」を公約に掲げるオバマ氏。高橋さんは「核兵器廃絶をやってくれるんじゃないか」と話し、新大統領就任を熱い思いで見守っている。
高橋さんは、爆心地から1.4キロの中学校校庭で被爆した。晴天の空にB29爆撃機が飛行しているのを見た後、辺りが真っ暗闇になり、身体ごと吹き飛ばされたという。
後頭部など全身3分の1以上に大やけどを負った。背中や指には今も、ガラスの破片が刺さった跡が残っている。高橋さんは「核兵器の被害を実際に見て、被爆体験を聞けば、原爆があってはならないものだと分かる」と話す。
昨年9月、広島市で開催された主要8カ国(G8)下院議長会議(議長サミット)では、ペロシ米下院議長に被爆証言をした。「核兵器をなくす努力を最大限にやってほしい」。ペロシ議長からは後日、「忘れ得ない経験」だったと礼状への返事が届いた。
高橋さんは「あの地獄図を誰にも味わわせてはならない。被爆者もそう長くは生きられない。原爆の被害がいかに残酷か。実際に目で見てほしい」とオバマ氏に期待を掛けている。
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