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2009年01月18日(日) 14時09分

欧州向けガス近く再開 露、ウクライナ首相が表明中国新聞

 【モスクワ18日共同】ウクライナを経由したロシア産天然ガスの欧州向け輸送が停止している問題をめぐり、ロシアのプーチン首相とウクライナのティモシェンコ首相は十七日から十八日にかけてモスクワで協議。両首相は共同記者会見で、ウクライナ向けガス供給価格の値上げで基本合意し、欧州向け輸送を近く再開できると表明した。

 ティモシェンコ氏は、両国のガス企業に対し、十九日までに合意文書を準備するよう指示したと述べた。文書署名にこぎ着ければ、一部でガス暖房停止など深刻な影響が出ている欧州の混乱が正常化に向かうことになりそうだ。

 ただ経済危機が深刻なウクライナはガス値上げへの支払い余力が乏しく、ガス紛争への対応をめぐるユーシェンコ大統領とティモシェンコ氏の意見対立も露呈。大統領が今回の基本合意を受け入れるかどうか、予断を許さない状況だ。

 プーチン氏は会見で、ウクライナへのガス供給価格と、ウクライナに支払う欧州向けガスのパイプライン通過料を来年からともに欧州並みの価格に引き上げることになったと説明。ただ今年はガス価格を欧州の二割引きに、通過料は据え置くという。しかし、ウクライナが支払う今年のガス価格は昨年に比べ約二倍にはね上がる見通しだ。

 ロシアはガス価格値上げなどの交渉が昨年末に決裂したため、今月一日からウクライナへのガス輸出を停止。七日には、ウクライナによるガスの抜き取りなどを理由に同国経由の欧州向けガス供給も停止していた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901180201.html