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2009年01月17日(土) 15時49分

阪神大震災14年 記憶と教訓次世代に産経新聞

 6434人が死亡した阪神・淡路大震災は17日、発生から14年を迎えた。兵庫県内の各地で追悼行事が行われ、犠牲者の鎮魂を祈るとともに、次世代に被害の記憶と教訓を継承することを誓った。独り暮らしの高齢被災者が、誰にもみとられずに死亡する「孤独死」が後を絶たず、被災地ではなお取り組むべき課題が残されている。

 「1・17のつどい」が開かれた神戸市中央区の東遊園地は、午前5時46分の時報とともに鎮魂の祈りに包まれた。遺族らが、「1・17」の形に並べた約7000個のろうそくに向かって手を合わせ、静かに故人をしのんだ。

 黙祷(もくとう)に続いて行われた同市の追悼行事では、遺族代表の田中千春さん(53)が「人と人とのきずな、たった一つしかない命を大切に」と述べ、矢田立郎市長は「震災の経験を被災地の支援に役立てるのが使命」と誓いを新たにした。

 また、震災で大きな被害を受けた同市長田区日吉町にある防災公園「ポケットパーク」では、震災後の焼け跡から見つかった2体の地蔵が安置されるお堂の前で追悼式が開かれた。

 阪神高速神戸線の橋脚倒壊などで犠牲になった16人に哀悼の意を表する同県芦屋市の「芦屋慰霊碑」では、阪神高速道路の幹部らが献花をし、安全への誓いを新たにした。

 震源地に近い兵庫県淡路市の北淡震災記念公園では、神戸市長田区で激震に耐えた「神戸の壁」の再移設に伴う式典が行われた。

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【用語解説】阪神・淡路大震災

 平成7年1月17日午前5時46分、兵庫県淡路島北部を震源とするマグニチュード(M)7・3の地震が発生し、神戸市などで史上初の震度7を記録した。死者6434人、負傷者約4万4000人。被害家屋数は約64万棟、被害総額も10兆円に達し戦後最大の自然災害になった。家屋倒壊などによる圧死が地震直後の死因の9割近くを占め、耐震化の重要性が指摘された。

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