2009年01月17日(土) 13時30分
三菱UFJなどが日興買収検討 シティの売却検討で(産経新聞)
米金融大手シティグループの経営改革策で、日興コーディアル証券が将来の売却候補に挙がったことで、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、みずほFG、三井住友FGのメガバンク3行が週明け以降、日興買収の検討を本格化させる考えであることが17日、わかった。国内証券の大型再編に発展する可能性がでてきたが、金融危機で3行とも財務基盤が弱体化しており、数千億円規模とされる巨額買収に踏み切れるかどうかは不透明だ。
シティグループは、銀行業務など中核事業の「シティコープ」と、証券業務など非中核事業の「シティホールディングス」に2分割する。日興を含む後者は将来の売却検討対象となる。
日興コーディアル証券は個人向け部門2位の強い営業基盤を持ち、「どの金融機関も手に入れたい思いは同じ」(メガバンク幹部)という。特に、旧日興証券が三菱グループと親密だったため、三菱UFJFGの動向が注目されている。
しかし同行は昨秋、米証券大手モルガン・スタンレーに約9000億円を出資したばかり。その上、株価急落で今月15日には2880億円の保有株式の評価損を追加発表し、平成21年3月期は初の最終赤字に転落する可能性も出ている。
三菱UFJ関係者は「最大の問題は資金がないこと」と話し、早期に日興の買収交渉に臨むことは難しいとの見方を示した。
みずほFG、三井住友FGも日興に関心を寄せるが、収益が悪化し自己資本比率が減少している状況は同じだ。それぞれ「他社には取られたくない」との思惑もあり、金融情勢や、大手証券を含むライバル金融機関の動向をにらみながらの駆け引きとなりそうだ。
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