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2009年01月17日(土) 16時01分

住基ネット:県が独自利用へ 最高裁「合憲」判決など受け /熊本毎日新聞

 県は、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)について、住民基本台帳法が定める事務以外にも利用を広げる方針を決めた。16日開かれた県本人確認情報保護審議会(会長、大江正昭・熊本学園大教授)に、三つの行政事務で独自利用することを諮問し、了承を得た。県住民基本台帳法施行条例の改正案を2月議会に提案し、4月から利用を始める考えだ。
 県は、住基ネットを巡る訴訟が提起されていたため、県条例に基づく独自利用はしていなかった。しかし、住民が県に運用差し止めなどを求めた訴訟で、熊本地裁が昨年9月、県勝訴(住民は控訴)の判決を出したほか、昨年3月には最高裁が住基ネットを合憲とする判断を示したことから、独自利用に踏み切ることを決めた。
 利用するのは(1)心身障害者扶養共済制度の年金受給(2)県育英資金の返還請求(3)県職員の恩給——に関する事務。県市町村総室によると、住基ネット利用によって(1)は年金受給者が毎年義務付けられている現況届を出す際、住民票添付が不要になる。(2)と(3)は対象者の住所確認が素早くできるなど事務が効率化されるという。
 審議会は、個人情報を扱う際に安全性を確保するよう求めた。
 住基ネットの独自利用は昨年4月1日時点で岩手や広島、佐賀など20都県が実施している。【笠井光俊】

1月17日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090117-00000210-mailo-l43