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2009年01月17日(土) 10時19分

万が一に備え気を引き締め 宇治の小中校、警察京都新聞

 多くの犠牲者を出した阪神淡路大震災から17日で14年となるのを前に、京都府宇治市内の小中学校や警察署で16日、地震発生時の避難や人命救助を学ぶ訓練が行われた。参加者らは本番さながらの緊張した様子で、万が一の際への備えに気を引き締めていた。
 ◇…西大久保小(宇治市大久保町)では、府南部で震度5の地震が発生し、家庭科室から出火した−との想定で訓練が行われた。
 全校児童333人は、地震と同時に机の下にもぐり、揺れが収まったとの校内放送で一斉にグラウンドに避難。児童たちは「押さない、走らない、しゃべらない」の3原則を守って素早く行動していた。
 堀口清校長は児童たちに「訓練の時から自らの命を守る心構えをしておいてほしい」と呼び掛けた。
 6年生53人は、校舎3階から救助袋を使っての脱出も体験。滑り台を滑り降りるように1人ずつ、約15メートル下の中庭に出た。ほかの学年の児童たちは、その様子を見学し避難の方法を心に留めていた。
 ◇…宇治署では署員約90人が参加し、宇治市消防本部の救急隊員から、AED(自動体外式除細動器)の使い方を学んだ。人形を使って実際に人工呼吸と胸部圧迫の心肺蘇生(そせい)法を体験し、AEDによる救命の流れを確認した。署員は「(AEDは)何度も使えるのか」「どの位置に当てれば効果があるか」などと熱心に質問していた。
 続いて、地震で倒壊した建物のがれきを取り除くため、木や金属を電動工具などで切る練習をした。角材や金属パイプを家屋の柱に見立て、チェーンソーやエンジンカッターで大きな音をたてながら切断。署員たちは、一刻を争う非常事態に備え、真剣な表情で取り組んでいた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090117-00000022-kyt-l26