中央大後楽園キャンパス(東京都文京区)の1号館4階トイレ内で、同大理工学部の高窪統(はじめ)教授(45)が刺殺された事件で、トイレの洗面台には、血を洗い流した痕跡がないことがわかった。
天井や入り口のドアに高窪さんを刺した際に飛び散った血痕が付着しておらず、警視庁では犯人が大量の返り血を体に浴びながら、洗い流さずに逃走した可能性が高いとみている。
同庁幹部によると、高窪さんは背中や腹などを数十回にわたって刺されており、背中から刺された傷が心臓に達するなど深い傷は約20か所にも上っていた。
しかし、トイレの天井や入り口のドアには飛び散った血痕が付着していなかった。同庁では、犯人が、高窪さんに馬乗りになって刃物で刺し、体に大量の返り血を受けたためではないかとみている。トイレの洗面台を検証したところ、血痕を洗い流した跡は確認できず、犯人は返り血を浴びたまま逃走した可能性が高いとみられる。
一方、救急隊や警察が現場に到着する前に、複数の学生らがトイレ周辺から大きな叫び声を聞いていたこともわかった。同庁では事件当時、同館内にいた学生から事情を聞くなどして、目撃情報の収集に全力を挙げている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090117-OYT1T00470.htm