17日午前5時46分、6434人の命を奪った阪神大震災の被災地は、14年目の朝を迎え、各地で遺族や被災者が、亡き人々に鎮魂の祈りをささげ、過ぎ去った年月に思いをはせた。
震災を体験した市民は時間とともに減り、教訓の伝承という課題を抱えながら、被災地は震災15年目に入った。
神戸市中央区の東遊園地では夜明け前の午前5時から、追悼行事「1・17のつどい」が営まれた。同市の気温は例年より少し暖かい4・7度。昨年より約1000人多い、約5500人の参列者が、7000個の竹灯籠(どうろう)の灯を囲み、午前5時46分の時報にあわせて黙とうした。犠牲者の名前が刻まれた「慰霊と復興のモニュメント」前では、遺族らが故人をしのんだ。
式典では、当時62歳の母を亡くし、復興住宅で高齢者見守り活動を続けた同市東灘区、市嘱託職員の田中千春さん(53)が遺族を代表し、「震災を後の世代に伝えていかなくてはいけない」と訴えた。
震源地に近い淡路市(淡路島)の北淡震災記念公園では午前6時15分、神戸・長田の大火で焼け残り、移設された防火壁「神戸の壁」の除幕式が行われた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090117-OYT1T00217.htm