息子を装った電話で高齢者を家の外に誘い出した留守宅に忍び込み、現金などを盗む「オレオレ窃盗」が14日、埼玉県内で2件起きた。
金融機関窓口や現金自動預け払い機(ATM)の警戒が厳重で「振り込み」による現金詐取が難しくなる中で、新たな手口として被害が広がる可能性もあるとみて、県警は注意を呼びかけている。
県警によると、蕨市内の無職男性(80)方に14日、「仕事に失敗して200万円が必要になった」など次男を装った電話が数回あり、男性が指定されたJR西川口駅に出かけた約1時間に、留守宅から現金約255万円と貴金属が入った金庫が盗まれた。
川口市内の無職男性(81)方にも同日、「株で損をした。200万円を振り込んでほしい」と長男を装った電話が数回あった。振り込め詐欺を警戒し、男性が「直接渡すならいい」と答えると、「外で一緒に食事をしよう」と近所の飲食店に誘い出された。男性夫婦が家を留守にした約1時間に、商品券や指輪など18点(時価約6万8000円相当)が盗まれた。
県警幹部によると、いずれも1回目の電話で「携帯電話の番号が変わった」と説明、誘い出す際には「物騒だから現金は持ってこなくていい」と話したという。県警は同一犯の犯行とみて調べている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090116-OYT1T01016.htm