第2次世界大戦中に戦地で死亡した旧軍人の妻(87)(大阪府)が、「夫が戦地で届け出た離婚は無効で、時効を理由に恩給を支給しないのは不当」として、国に不支給分の恩給の支払いを求めた訴訟の判決が16日、東京地裁であった。
岩井伸晃裁判長は、「離婚無効が確定するまで、原告は恩給請求の権利を行使できなかったのだから、時効は成立しない」と述べ、約50年分の恩給約3800万円の支払いを命じた。
判決によると、女性の夫は、朝鮮にあった旧陸軍の連隊に入隊後の1943年、女性に無断で離婚を届け出て、翌年、ニューギニアで病死した。女性は長年、「離婚は取り消せないので、恩給ももらえない」と思い込んでいたが、2005年に民事訴訟で離婚の無効が確定。戸籍を訂正して恩給を請求したが、国は時効を理由に5年分の支給しか認めなかった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090117-OYT1T00057.htm