入試シーズンの本格的な幕開けとなる大学入試センター試験が十七日、全国七百三十八の会場で始まった。日程は十八日までの二日間。初日は公民、地理歴史、国語、外国語の筆記試験に加え、英語のリスニングが行われた。
大学入試センターの集計によると、過去も機器の不具合などが相次いだリスニングは、今回も計二百五十三人が聞こえにくいなどと訴え、うち辞退者を除く二百四十九人が計百八十会場でそれぞれ再テストを受けた。昨年の再テスト人数は百七十五人だった。
志願者は昨年度より五百九十六人多い五十四万三千九百八十一人で、今春に高校を卒業予定の現役生が過去最高の79・3%。例年、受験者が最も多い外国語は、志願者全体の92・1%となる五十万一千百十五人が挑んだ。
福井大の文京キャンパス(福井市)で、監督者の勘違いで国語の試験を約一分早く終了するミスがあり、影響を受けた七十七人のうち希望者には、二十四日に再試験を実施する。
東京都と埼玉県の二会場でも、チャイムの故障などで公民の試験の開始と終了が一—三分前後ずれたが、時間自体は配分通りだったため、受験生に影響はなかった。
公民の「倫理」は解答の選択肢一カ所に記述の誤りがあり、試験冒頭に訂正内容を説明。地理歴史の「地理B」、外国語の「英語(筆記)」で誤字があったが「正解を導く上で支障がない」とし、受験生への説明はなかった。
センター試験を利用する国公私立の大学・短大は昨年より二十校増え、過去最多の七百九十七校。大手予備校などは、不況の影響から学費の安い国公立や自宅から通える地元の大学を目指す傾向が強まっていると分析している。十八日は理科と数学の試験が行われる。