【モスクワ17日共同】ウクライナを経由したロシア産天然ガスの欧州向け輸送が停止している問題で、ロシアのプーチン首相とウクライナのティモシェンコ首相が十七日、輸送正常化をめぐってモスクワで会談した。
両首相はその後、ロシアのメドベージェフ大統領が開いた関係国を含む会議に出席。大統領は冒頭、「今のところ、結果は出ていない」と述べ、協議が難航していることを明らかにした。両首相は関係国会議が終わった後、協議を再開する見通し。
ロシア産ガスへの依存度が高い東欧では、輸送停止で市民生活や産業に深刻な影響が出ており、欧州連合(EU)は今回が「最後のチャンス」だと警告。進展がなければ両国との関係を見直すと圧力をかけている。
メドベージェフ大統領は関係国の首脳に会議参加を呼び掛けていたが、ウクライナのユーシェンコ大統領や欧州主要国は出席を見送り、EUはピエバルグス欧州委員(エネルギー担当)らを派遣。このほか、旧ソ連圏と東欧の一部の首脳や担当閣僚が出席するにとどまった。
ロシアは今月一日、ガス価格値上げなどの交渉決裂を受けてウクライナへのガス輸出を停止。七日には、ウクライナによるガスの抜き取りなどを理由に同国経由の欧州向けガス供給も停止した。
両国はEUの仲介により、抜き取りの有無を確認する国際監視団の受け入れで合意したが、監視団の展開後も技術面での対立が続き、欧州向け輸送が滞っている。