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2009年01月17日(土) 23時52分

中央大事件 手袋着用?トイレドアに血痕なし   産経新聞

 東京都文京区の中央大学後楽園キャンパスで同大理工学部教授の高窪統(はじめ)さん(45)が刺殺された事件で、殺害現場の1号館4階男子トイレのスライド式ドアに血痕が付着していないことが17日、警視庁富坂署捜査本部の調べで分かった。洗面所で血を洗い流した形跡もなかった。捜査本部は犯人が手袋をはめるなど、高窪さん襲撃を計画的に進めていたとみて、高窪さん周辺のトラブルを捜査している。

 調べでは、高窪さんは14日午前10時20分ごろ、トイレでうつぶせに倒れているのが見つかった。背中を中心に多数の刺し傷があり、周囲は血だまりが広がっていた。犯人は相当の返り血を浴びているとみられるが、血を洗い流したり、ふき取ったりした跡は見当たらなかった。

 血痕はトイレから中央階段にかけて残され、その後、1階の警備員室まで続いているものと、3階の廊下、非常階段に続いているものがあった。不完全な足跡のようなものも見つかったという。捜査本部は現場の状況から、犯人が人目を避けるために3階から非常階段に切り替えた可能性もあるとみて、逃走経路の絞り込みを進める。

 また、犯行時間帯に現場と同じ4階の複数の学生らが叫び声を聞いていた。男子トイレで高窪さんが倒れているのを発見した男子留学生は「驚いて声が出なかった」と説明している。叫び声は犯人か高窪さんのものとみて、捜査本部で不審な男の目撃情報がないか聞き込みを続けている。

 学生らの証言によると、高窪さん殺害は、14日午前10時10分ごろ〜午前10時20分ごろとみられる。学生らは日ごろ研究室で過ごすことが多く、この時間帯にも複数の学生がいた。捜査本部の事情聴取に「わー」というような叫び声を聞いたと説明したという。

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