6434人が死亡した阪神大震災は17日、発生から14年を迎え、兵庫県の各地で追悼行事が行われた。参加者は犠牲になった人たちの鎮魂を祈るとともに、記憶と教訓を次世代に継承することや「災害に強い社会」づくりを誓った。
独り暮らしの高齢被災者が、誰にもみとられずに亡くなる「孤独死」が後を絶たず、被災地ではなお取り組むべき課題が残されている。
この日、神戸市の中心部にある東遊園地で行われた追悼行事では「1・17」の形に並べた約7000本の竹灯籠(とうろう)の中のろうそくに点灯し、地震が起きた午前5時46分に合わせて黙とうした。
引き続きあった神戸市主催の行事で、矢田立郎市長は「次の世代にきちんと伝えていくこと、記憶を風化させないことが、ますます大切になっている」と継承の重要性を強調した。
震災で母を亡くした遺族代表の田中千春さん(53)は「悲しむことしかできなかったあの日を忘れられない」とする一方で、人間の温かさや助け合う姿に触れたとして、自らも「人と人をつなげていきたい」と結んだ。
神戸市の別の会場で行われた「ひょうご安全の日 1・17のつどい」では、新成人2人が県民代表として「助け合って災害に強い社会を築くことが大切」と力を込めた。
神戸市長田区のJR新長田駅前には、ペットボトル製の灯籠約1300本が並べられ、参加者らが火をともした。淡路市の「北淡震災記念公園」では、長田区で震災後の大火を食い止めた「神戸の壁」の移設を記念して式典が開かれた。
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