2009年01月17日(土) 21時51分
<イスラエル>一方的停戦発表へ…ガザ地区封鎖は継続(毎日新聞)
【エルサレム高橋宗男】パレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に関し、イスラエル政府は17日夜(日本時間18日未明)、治安閣議を開く。政府はイスラム原理主義組織ハマスの態度にかかわらず攻撃を停止する、「一方的停戦」を決定するとみられる。オルメルト首相が閣議後に国民向けの声明を発表する予定で、ガザ情勢は大きな局面を迎えた。
イスラエルは最大の同盟国・米国で20日にオバマ次期政権が発足するのを前に、事態収拾を急いでいる。一方的停戦との判断に傾いた背景には、エジプトが仲介する停戦協議で、ハマスと停戦期間などの条件が依然として折り合わず、一方でエジプトとの協議や米国との合意を通じ、ガザ地区への武器密輸防止策に一定のめどがついたためとみられる。イスラエルにとっては、ガザ地区封鎖を継続しハマスに圧力をかけ続けられるメリットもある。
ロイター通信によると、ハマスのレバノン代表、ハムダン氏は17日、イスラエルが一方的停戦を宣言しても、ガザ地区から撤退しない限り攻撃を続けると強調した。
イスラエル軍は17日朝、パレスチナ自治区ガザ地区北部ベイトラヒヤの国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校を戦車で砲撃し、UNRWA報道官によると、同校に避難していた男児2人の兄弟が死亡、母親を含む14人が負傷した。
また17日未明から、ガザ地区を集中的に空爆。武器密輸用トンネル16本やモスク2カ所を含む約50カ所を爆撃した。AFP通信によると、パレスチナ人死者は1199人に達し、12月27日の攻撃開始以降22日目で06年夏の第2次レバノン戦争(34日間)の死者数1191人を超えた。
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