2009年01月17日(土) 21時35分
国内初の心肺同時移植を実施 阪大病院(産経新聞)
兵庫県災害医療センター(神戸市)に頭部外傷で入院中の30代男性が、臓器移植法に基づく脳死と判定され、心臓と肺が摘出されて17日、大阪大病院(大阪府吹田市)で国内初となる心肺同時移植が実施された。
移植を受けたのは、心臓と肺の重い疾患が重なったアイゼンメンジャー症候群の30代男性。約120人ずついる心臓と肺の待機患者のうち、同時移植を希望する4人から選ばれた。
平成9年10月施行の臓器移植法は、心臓と肺をそれぞれ別の患者に移植することを想定していた。しかし、心肺同時移植でなければ救えない患者がいることから、心臓か肺のどちらか一方が移植の優先順位1位になった場合、同時移植を認めることにした。
移植を受けた男性は、脳死となった男性と血液型が適合するなどし、肺移植の優先順位が1位に。心臓の同時移植も希望して登録していたため、心臓で1位となった患者より優先された。
海外では多数の実施例があるものの、国内ではようやく15年4月から移植希望患者の登録が始まった。脳死臓器移植は79例目。
そのほか、肝臓は九州大で50代男性に、膵臓(すいぞう)と腎臓は東京女子医大で40代女性に、もう片方の腎臓は兵庫医大で50代男性に、それぞれ移植される。小腸は該当者がいなかった。
提供者の男性は16日夜、兵庫県災害医療センターで2回目の法的脳死判定を終えた。
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