2009年01月17日(土) 20時51分
<証券業界>勢力図激変も…国内外大手、日興売却に関心(毎日新聞)
経営再建中の米金融大手シティグループが、日興コーディアル証券を売却の検討対象とする非中核事業に位置づけたことで、国内証券の業界地図が一変する可能性が強まってきた。証券業界は長く続いた「4大証券」時代の後、旧山一証券の自主廃業で3大証券になり、さらに日興が外資の傘下に収まるという歴史を経てきた。シティ解体で日興が新たな再編の目になるのは確実で、大手銀行や証券会社による「日興争奪戦」になりそうだ。
4大証券の野村、大和、日興、山一証券のうち、山一は97年11月に巨額の簿外債務発覚で自主廃業し、大和は法人部門で三井住友銀行と提携。日興は98年に米トラベラーズ・グループ(現シティ)の出資を受け、06年には利益水増し問題が発覚して上場廃止の危機に追い込まれ、シティの完全子会社として生き残りを図った。しかし、完全子会社となってわずか1年でシティの経営が悪化、日興は「再編の目」となった。
日興は「顧客基盤が魅力」(大手証券)で、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、みずほFG、大手証券が買収に関心を寄せているほか、欧州勢などの外資が「買い手」として名乗りを上げるとの見方もある。日興の行方次第では、3大証券体制の業界勢力図が激変する可能性もはらんでいる。
こうした中、日興社内では売却の検討対象となったことで動揺が広がっている。これまで準備を進めてきた日興コーディアルと法人向けの日興シティグループ証券の合併は、シティ解体で流動的な情勢だ。日興の経営基盤が揺らぐことで顧客離れを引き起こす懸念もある。
ただ、一方では、強力なトップダウン型のシティの企業文化や、徹底した成果主義に戸惑っていた社員も多く、シティ解体を歓迎する声もある。「邦銀傘下の方が働きやすい」と、日本の金融機関による買収を望む日興関係者は少なくない。【瀬尾忠義、野原大輔】
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シティグループ
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