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2009年01月17日(土) 20時02分

新顔には無類の強さ 朝青龍、破竹の7連勝産経新聞

 何とか嘉風の初挑戦を退けた朝青龍だが、1発張られて頭に血が上った。駄目押し気味に土俵下へ落とすと、嘉風を一にらみ。懸賞を受け取る際もにらみ続ける。土俵下に下りて水を飲んでから、もう一にらみ。怒りはなかなか収まらなかった。

 ピンチの連続だった。突っ張り合いから潜り込まれる。首投げでしのいだが、残されて再び押し込まれる。逆転の突き落としで事なきを得たが、土俵下の放駒審判部長(元大関魁傑)は「よく残ったねぇ。そりゃ、慌てたろう」と苦笑いだった。

 内容はともかく、初顔には無類の強さを発揮する。小結だった平成13年夏の安芸乃島戦以来、初顔との対戦は29連勝。最初に苦手意識を植え付ける大切さは熟知している。この日の執拗なにらみには、相手を萎縮させる狙いもあったのだろう。

 取組後は何を聞かれても無言を貫いた。前日、自身への脅迫容疑で逮捕された男に対する発言が意図した通りに報道されなかったと猛抗議。「しゃべらなくなるぞ。それでいいのか」と報道陣に恫喝したのを実行に移した形だ。

 中日には昨年秋に不覚を取った安美錦を迎え撃つ。稀勢の里、雅山、豊ノ島と並び、近年は決して合口のよくない難敵だが、苦手4力士撃破となれば復調を強く印象づける。今場所の目標も引退回避から、復活優勝に移ることになる。(奥山次郎)

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