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2009年01月17日(土) 19時21分

<鳩山総務相>「かんぽの宿日田」を視察毎日新聞

 日本郵政の「かんぽの宿」70施設をオリックス不動産に一括譲渡することに強い難色を示している鳩山邦夫総務相は17日、大分県日田市の「かんぽの宿日田」(全53室)を視察した。

 「かんぽの宿日田」は1975年開業。日帰り入浴も楽しめる人気の高い施設だが改修などの負担が響き、07年度は2000万円弱の赤字だった。同相はこの施設の固定資産税評価額が約15億円なのに対し、オリックスへの譲渡価格が1億円弱だと明かし、「想像していたよりもいい施設。1億円で買えるのか」と価格設定に疑問を示した。

 また、総務相は「かんぽの宿は地元資本に買ってもらい、地域に根ざした施設にするのがいい」と述べ、一括ではなく施設ごとの売却が望ましいとの考えを強調した。

 かんぽの宿は年間50億円規模の赤字事業。日本郵政はオリックスに約109億円で一括譲渡する予定だが、鳩山総務相はオリックスの宮内義彦会長が郵政民営化の議論に携わっていたことから倫理的に問題があると批判。譲渡価格の安さにも疑問を呈し、一括譲渡に否定的な姿勢を取っている。【前川雅俊】

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