2009年01月17日(土) 19時10分
家計の食費、世界規模で3〜4割増…農水省10年間試算(読売新聞)
食料の名目国際価格が2018年に06年比で3〜4割上昇するとの試算を、農林水産省がまとめた。
世界人口の増加などで食料需給は逼迫(ひっぱく)した状況が続き、穀物で34〜46%、肉類で31〜41%、乳製品で43〜81%、それぞれ値上がりすると予想している。
06年後半から世界の食料需給が厳しくなったのを受けて、農水省は1998年6月以来、ほぼ10年ぶりに推計モデルを見直し、「2018年における世界の食料需給見通し」として公表した。
価格上昇の原因として、世界の人口増加のほか所得水準の向上、バイオ燃料の需要拡大などを挙げている。
穀物の消費量はアジアやアフリカ、中東で急増し、18年には06年比34%増の26億トンに増える。各地の生産量も増えるが、消費の伸びには追いつかず、在庫量は06年の17%から13%に低下して、価格は上昇傾向で推移する。
また、肉類の消費が今後アジアで大幅に拡大すると予測し、アジアの純輸入量が18年に1300万トンに達するとした。
経済協力開発機構(OECD)と食糧農業機関(FAO)の試算が「17年に800万トン」としているのに比べ、需給の逼迫感がかなり厳しい結果となっている。これについて農水省は、食料輸入国である日本の視点から、アジアやアフリカの消費動向をより細かくモデルに織り込んだと説明している。
農水省は今後、毎年予測を更新し、政策立案に生かしていく考えだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090117-00000044-yom-bus_all