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2009年01月17日(土) 19時07分

シティ、日興売却方針 三菱UFJなどが買収検討産経新聞

 【ワシントン=渡辺浩生】米金融大手シティグループは16日、グループを銀行業務など中核事業を担う「シティコープ」と、証券業務など非中核事業を集約した「シティホールディングス」に分割する経営改革案を発表した。

 子会社の日興コーディアル証券と運用会社の日興アセットマネジメントは売却検討対象の非中核事業に含まれることになる。これを受けて、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)などメガバンク3行が買収の検討に入った。

 三菱UFJFGのほか、みずほFGと三井住友FGのメガバンク3行すべてが、日興買収の検討を来週以降本格化させる考え。いずれも日興コーディアルの買収を中心に検討しており、国内金融業界の大型再編に発展する可能性が出てきた。3メガの中でも三菱UFJFGは昨年12月、傘下の三菱UFJ信託銀行を通じて日興シティ信託銀行の買収を決めており、その動向が注目されている。

 ただ、3メガはいずれも米国発の金融危機の影響で保有株の含み損が膨らみ、財務基盤が悪化している。他の証券会社の一部も日興買収に関心を示しているが、やはり業績が悪化しており、巨額の買収資金の手当てが出来るかどうかが焦点だ。

 シティが16日発表した2008年10〜12月期決算によると、最終赤字が82億9400万ドル(約7500億円)で、赤字は5四半期連続となる。幅広い金融サービスを複合させる「金融のデパート」路線を進めてきたシティだが、生き残りに向け、大胆な方針転換に動く。今後、資産規模でほぼ3分の1に相当する非中核事業を切り離して、預貸を中心とする銀行業務に集中することになる。

 シティはこれまで日興売却を否定していたが、パンディット最高経営責任者(CEO)は16日の電話会議で、「世界戦略にそぐわない」と売却を示唆した。

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