2009年01月17日(土) 08時04分
シティ、日興売却示唆 10〜12月期、最終赤字7500億円に(産経新聞)
【ワシントン=渡辺浩生】米金融大手シティグループが16日発表した2008年10〜12月期決算は、最終赤字が82億9400万ドル(約7500億円)となった。赤字は5四半期連続。これを受け、シティはグループを銀行業務など中核事業を担う「シティコープ」と、証券業務など非中核事業を集約した「シティホールディングス」に分割する経営改革策を発表した。非中核事業は売却の検討対象で、傘下の日興コーディアル証券も含まれる。シティグループのパンディット最高経営責任者(CEO)は同日、日興について将来の売却を示唆した。
シティコープは、リテール(小口金融)部門や法人向け金融・投資銀行部門など採算性の高い業務を担う。これに対して、シティホールディングスは、証券や不採算の消費者金融に加え、不良資産を移管する。銀行や証券など幅広い金融サービスを提供する「金融のデパート」路線を進めてきたシティだが、生き残りに向けて、資産規模でほぼ3分の1に相当する非中核事業を切り離し、中核事業に集中する戦略に転換する。
シティは、すでに傘下の証券会社スミス・バーニーを売却することを決めている。日興の売却についてはこれまで否定していたが、パンディットCEOは16日の電話会見で、日興などについて「世界戦略にそぐわず、経営を複雑にしている」と述べ、将来の売却を示唆した。今後、日本の証券業界の再編につながる可能性もある。
一方、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)も同日発表した10〜12月期決算で、17億8900万ドル(約1600億円)の最終赤字に転落した。バンカメは証券大手メリルリンチの買収に伴い財務状態が悪化しており、米財務省は同日、公的資金200億ドルを資本注入するとともに、約1180億ドルの不良資産について将来発生する損失を政府が保証する支援策を発表した。バンカメによると、メリルは同期に153億ドルの最終赤字になったとしている。
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