2009年01月17日(土) 17時00分
女性がらみは禁止なのに…開き直り朝青龍のやけっぱち(夕刊フジ)
昔から土俵は女人禁制。どんな高官でも、女性は土俵に上がることを許されず、一昨年まで春場所会場の大阪府立体育会館の家主だった太田房江・前大阪府知事の「土俵上で知事賞を直接渡したい」という要求も長年の伝統をタテにハネつけている。
いや、生身の人間だけではない。女性の絵や肖像にまでアレルギーがある。一昨年春、当時伊之助だった木村庄之助が立行司の昇進祝いとして京都の女性用のあぶら取り紙の老舗から夏、冬用の装束2着を贈られた。絵柄は、どちらもその老舗のトレードマークである手鏡に映った女性の顔だった。夏場所、その装束を着用して土俵に上がると、元立行司から「その絵柄はまずい」とクレームが付き、この装束、たった1場所でお蔵入りになった。
「2代目若乃花(現間垣親方)が京都の舞妓(まいこ)さんの図柄が入った化粧まわしをもらったんだけど、やっぱり1日締めただけでダメだったらしいですね。でも、贈った人は、着てもらいたいと思って贈ってくれるんだから、まったく使わないワケにはいかない。あの装束、いま、巡業で使っています」と庄之助は話している。
このあぶら取り紙の老舗、実はもう1人、同じ絵柄の化粧まわしを贈っている。今場所、力士生命のがけっぷちに追い込まれ、連日、注目を浴びている朝青龍だ。こちらは横綱だから、太刀持ち、露払いの分を含めた3本ぞろい。行司の装束は100万円前後だが、横綱用はその3倍以上する。
この朝青龍の化粧まわしも、庄之助の装束と同じような批判にさらされ、もらったものの、ずっと日の目を見ずにいた。
ところが今場所、朝青龍は初日から、そのしまっておいた化粧まわしを引っ張り出し、堂々と使用しだした。これを見た協会首脳の表情はなんとも複雑。「もしかしたら、引退する前に思い切って使用してしまえ、文句を言われても関係ねえ、と開き直っているんじゃないの。いわば、やけっぱちの心境ですよ」とある親方は解説している。
この捨て身が負け知らずの6連勝と予想外の好成績にもつながったと言っていい。ただ、今のところ、勝ちっぷりや成績だけがクローズアップされ、この際どい化粧まわしは見逃されてきたが、後半、事態が落ち着けば、ひと波乱起きるかもしれない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090117-00000010-ykf-spo