2009年01月16日(金) 23時10分
冷え込む求人「異例の事態」 大卒、高卒「就職決まらない」(産経新聞)
世界同時不況の波は、売り手市場だった就職戦線にも異変を起こしつつある。今年3月卒業予定の大学生、高校生の就職内定率が悪化し、大学、高校ともに、ほぼ5人に1人が就職未定の状況。企業側の採用意欲が低下し、求人数が冷え込む中、学校関係者らは「昨年並みの内定確保が精いっぱい。来年はどうなるのか」「さらなる内定取り消しが出るのではないか」と、今回の内定率低下を氷河期到来の予兆とみて警戒している。
調査で、大学生の内定率が最も悪かった北海道・東北地区。地域は大規模工場がないなど、もともと求人自体が少ない。若者の就職を支援する国の出先機関「ヤングハローワーク札幌」(札幌市)の職員は、「以前から買い手市場で、雇用情勢はよくなかったが、今回の経済危機で雇用環境の厳しさに拍車がかかった」と話す。
毎年2月ごろ、就職未決定者らを対象にした合同面接会を実施しているが、今回は企業の参加は鈍く、締め切り直前にようやく集まったという。
北海道恵庭市の北海道文教大で就職活動を支える担当者(58)も「内定者が出るのも例年より遅かった」と話す。ただ、最終的には、昨年と同程度の内定率になることを期待している。
大手就職情報会社「エン・ジャパン」(東京)にも就職未決定の学生から今でも相談メールが多数寄せられる。「早く決めたいが、焦っています」「就職氷河期なんでしょうか。これからどうしたらいいのか」など切実な内容だ。
高校生の就職戦線も厳しいものになっている。調査では、内定率が全国平均より約10ポイント低い7割で、求人倍率ワースト2位の青森県。県西北地域のある高校では、県内への就職希望者の約6割が内定を得ていないという。
進路指導の担当者(59)は、「去年の今ごろは、追加求人があったが、今はほとんどない。絶対的に求人が不足しており、就職が決まらない」と嘆く。
地元で就職を望むケースが多いため、正社員以外のアルバイトといった不安定な非正規労働者として就職を選択した生徒もいたという。県外への就職希望者も少なくないが、「現時点で4人も決まっていない。例年、この時期は内定率100%で、これは異例な事態」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090116-00000627-san-soci