記事登録
2009年01月16日(金) 23時05分

就職内定率が悪化に転じる 大学生5年ぶり、高校生6年ぶり 産経新聞

 今年3月卒業予定の大学生の就職内定率が昨年12月1日現在で80・5%と、前年同期を1・1ポイント下回り、5年ぶりに低下したことが16日、厚生労働省と文部科学省の調査で分かった。また厚労省の調査で、3月卒業予定で就職希望の高校生の内定率が昨年11月末現在で78・0%と、前年同期より1・7ポイント下回り6年ぶりに低下したことも判明した。

 厚労省は「景気悪化の影響で求人数が伸び悩み、企業の採用選考も厳しくなっていることが要因では」と話している。

 大学生の内定率は、男子は80・4%(前年同期比1・4ポイント減)、女子は80・5%(同0・9ポイント減)となった。短期大学は56・9%(同3・8ポイント減)で、専修学校も63・1%(同5・7ポイント減)にとどまり、軒並み数字を落とし、就職環境が「狭き門」となりつつある実態が浮かび上がった。

 全国6つの地域別でみると、中部が85・1%で最高だった。北海道・東北が、前年を5・3ポイント下回る71・6%で最も悪く、中部を除き、全地域で内定率が悪化した。

 高校生の求人数は、約31万1000人(同5・9ポイント減)で、求職者数は約19万人(同1・7ポイント減)となった。内定者数は約14万8000人(同3・8%ポイント減)だった。

 雇用情勢が厳しくなる中、企業による大学生の内定取り消しも深刻な問題となっており、昨年12月19日時点で、632人を記録している。

 ただ、厚労省は今回の大学生の内定率は5年ぶりに悪化したものの、過去10年では2番目に良い数字。「景況悪化が一気に表面化する10月以前に内定をもらった人たちの“貯金”分が反映している。まだ就職氷河期とはいえないが、今後は警戒が必要だ」と指摘している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090116-00000626-san-soci