記事登録
2009年01月16日(金) 22時30分

<米シティ>中核業務に資源集中 日興売却も示唆毎日新聞

 【ワシントン斉藤信宏】米金融大手シティグループは16日、預金、融資や投資銀行業務からなる中核業務とそれ以外の消費者ローンや海外での個人向け証券業務などを含めた非中核業務とにグループを分割する抜本的な経営再建策を発表した。非中核業務を切り離し、中核業務に経営資源を集中的に振り向けることで危機の回避を図る方針。非中核業務には日興コーディアル証券や日興アセットマネジメントなども含まれており、今後、事業売却も含めた資産圧縮の検討対象になるものと見られる。

 発表によると、シティは自社の業務を、中核業務の「シティコープ」と非中核業務の「シティ・ホールディングス」に分割。既にモルガン・スタンレーへの売却を発表した個人向け証券業務などを非中核業務と位置づけた。

 シティは、同日発表した08年10〜12月期決算の純損失が82億9400万ドル(約7500億円)と大幅赤字に転落した。赤字決算は5四半期連続で、08年通年では187億2000万ドルの巨額赤字を計上した。住宅ローンなど個人向けローンの焦げ付きなどに伴う損失が、08年10〜12月期に121億ドルまで膨らんだことが響いた。

 金融危機の深刻化が業績を直撃した形で、不良資産処理の遅れているシティにとって、今後も極めて厳しい経営環境が続きそうだ。

【関連ニュース】
米シティ:赤字7500億円 08年10〜12月期
NY株:8000ドル割れ目前 シティ、バンカメ急落
日興シティHD:社長、改めて中核企業の売却否定
日興シティ信託銀:三菱UFJ信託銀に250億円で売却
米シティ:証券事業をモルガンに売却 個人向け世界最大に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090116-00000155-mai-bus_all