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2009年01月16日(金) 00時01分

定額給付金の撤回求める 財政審が異例の注文中国新聞

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は十五日会合を開き、二〇〇八年度第二次補正予算案に盛り込まれた定額給付金を撤回し二兆円の使途を見直すよう、中川昭一財務相に注文を付けた。政府がいったん決めた政策に財政審が一致して反対するのは異例だ。

 世論調査で評判の悪い給付金に有識者らでつくる財政審も再考を求めた形。定額給付金に反対している野党や、自民党内の反麻生勢力を勢いづかせる可能性もあり今後の国会審議に影響を与えそうだ。

 会合後に記者会見した西室泰三にしむろ・たいぞう会長は「国民のためや経済活性化になることがあったら(二兆円を定額給付金以外に)振り向けることを考えたらどうかという考えが大多数を占めた」と説明。「国会が空転し、経済対策の実施が遅れることの経済への影響は大きい。何らかの対案を考えてもらえればありがたい」とも述べ、会長自身も見直しが望ましいとの認識を示した。

 この日の会合では委員から「給付金はほとんど経済効果がない」「与野党であらためて議論し、ただすべきはただすべきだ」といった指摘や、二兆円は給付金に使わず過去に発行した国債の償還に回すべきだという意見も出たという。

 財政審では財政規律を維持する観点から、「霞が関の埋蔵金」といわれる特別会計の積立金を給付金などの景気対策に充てることにもともと慎重意見が強かった。

 景気の好転を前提に二〇一一年度に消費税率を引き上げるとした政府の方針については、今国会に提出される税制改正法案の付則に明記すべきだという考えで一致した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901160061.html