三菱UFJフィナンシャル・グループは十五日、二〇〇八年十—十二月期連結決算で、傘下の三菱東京UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行が保有する国内株式の価格が大幅に下落し、有価証券評価損で計二千八百八十億円の損失が発生する、と発表した。評価損を特別損失などに計上するため、〇八年四—十二月期の純損益が赤字に転落する公算が大きい。
九月の米証券大手リーマン・ブラザーズの
評価損は、三菱東京UFJが二千五百七十億円、三菱UFJ信託は三百十億円に上る。株式を取得した際の簿価と比較して十二月末の時価が30%以上下落した。
三菱UFJは二月六日に四—十二月期連結決算の発表を予定している。
三菱UFJの〇八年九月中間決算の純利益は九百二十億円。〇八年十一月時点の予想では〇九年三月期で連結純利益二千二百億円を見込んでいた。三月期末の株式市場の動向や取引先の業績悪化の状況次第では、通期でも純損益が赤字となる可能性もある。
大手行は保有株価下落や不良債権処理で、経営の健全性を示す自己資本比率が目減りするため、相次いで資本増強に動いている。三菱UFJは〇八年末に七千九百億円規模の資本増強を終えたが、一段の資本増強を探ることになりそうだ。