記事登録
2009年01月16日(金) 13時38分

中国から見た日本の金融危機(4)プロレタリア小説が人気サーチナ

 このほど中国紙『東方時報』は、金融危機による景気減速が日本社会にもたらした変化についての記事を掲載した。

 日本東方出版社が出版したマルクスの『資本論』をもとに改作された漫画は歳末と年初の飛ぶように売れる本となった。東方出版社はこの本の読者を30歳以上の人と位置付けした。今回の金融危機による打撃はターゲットの人々にとって最も大きいからである。この本は初版は2万5000冊を印刷され、市場に出回ってから10日以内に売り切れとなり、しかもベストセラーと見なされるに至った。

 この漫画が描いているのは19世紀のあるチーズ工場のストーリーである。資本家のロビンはこの企業の経営者であり、彼は利益のみを追求していたが、厳しいビジネス競争の中で苦しい立場に立たされた。ロビンは剰余価値を追求することと搾取される従業員に同情を寄せることの間で苦痛に感じ、気持ちの上でもあがいていた。

 『資本論』だけでなく、かつてのプロレタリア文学の名作『蟹工船』もまた注目されるようになった。プロレタリア文学の代表的作家と見なされた著名な作家小林多喜二の小説『蟹工船』は1929年に上梓され、約80年間経って小林多喜二の死去75年後の今日、この小説は日本で再度人々に注目されることになった。

 この小説を出版、発行した新潮社の統計データによると、08年来、この本の販売部数は急増し、4月に7000冊を再版し、その後また5万冊を追加印刷し、聞くところによると引き続き追加印刷する可能性がある。このほか、昨年出版社2社が小説の漫画を出版した。

 「『蟹工船』ブーム」という言葉は2008年の日本の十大流行語に入選した。解雇の危機に直面している企業の従業員は往々にして自分の境遇を『蟹工船』の中のシーンと対比し、同感しているのである。09年、映画『蟹工船』も公開上映されることになっている。長野県には『資本論』勉強会があり、もっぱらマルクス主義の理論を学ぶことを模索しており、最近彼らはまた時事と結び付けて、「世界的恐荒の勃発と金融資本主義の破産」などのテーマについての討論をくり広げている。


※この記事は、「中国網(チャイナネット)日本語版」による提供です。中国網は中国国務院新聞弁公室の指導を受けて、中国互聯網新聞中心が各国語で運営する、中国政府による中国情報ポータルサイトです。URL : http://japanese.china.org.cn/

【関連記事・情報】
中国から見た日本の金融危機(1)ホームレスが増加 (2009/01/16)
中国から見た日本の金融危機(2)自ら進んで倹約 (2009/01/16)
中国から見た日本の金融危機(3)共産党に期待し始めた日本人 (2009/01/16)
中国から見た日本のODA、「世界の人々は日本の努力知らない」 (2009/01/15)
政治>国際関係>日中関係 - サーチナトピックス

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090116-00000048-scn-cn