2009年01月16日(金) 19時39分
美容室にいかず自分で染める 女性用白髪染め剤が好調(J-CASTニュース)
女性用白髪染め剤の売れ行きが好調だ。団塊世代ジュニアが「白髪世代」に突入したため、とみられているが、懐事情もあって美容室代を節約して自分で染める人も増えている。美容室でやってもらうのに比べて手間も時間もかかるが、お金をかけずに美しくなりたいという女性の執念がうかがえる。
■発売開始から1か月間で170万個を出荷
花王によると女性用白髪染め(家庭用)の市場規模は500億円で、日本人口のボリュームゾーンである団塊世代ジュニアが35歳前後に達し、「白髪世代」に突入したことが追い風となって、年々拡大している。
そんな中で同社が2008年10月から発売している白髪染め「ブローネ 泡カラー」が大ヒットしている。白髪が気になり始める35歳から50歳代に売れており、発売開始から1か月間で170万個を出荷した。容器から出てきた泡をそのまま髪につけ、手でもみ込みながら染めるので、後頭部や髪の内側までムラなく仕上げることができる。クリームや液体が主流の中で画期的な商品だ。
同社の広報担当者は、
「通常のヘアカラー新製品に比べて3倍のペースで売れました。従来品の場合、髪の毛を小分けにして根本から少しずつ塗る必要があり、面倒くさいという意見が多かったのですが、泡カラーは簡単にできると好評です」
とPRする。
一方で、不景気で美容室代を節約して自分で染める人も増えている。
「(美容室に)行かなくなることはないと思いますが、回数を減らして自分で染めるという人もいるのでしょう」
店頭販売価格は1000円台で、700円台がボリュームゾーンの白髪染め剤の中では高めの設定だ。しかし美容室で染める場合は5000円前後かかる。
ヘアカラー商品を豊富に扱っているマツモトキヨシの広報担当者は、
「不景気で消費全体が落ち込んでいる中でも、08年10月以降は毛染め関係の商品が伸びています」
と話し、業界内での期待が高まっている。
■美容室に行く間隔が長くなり、自分で染める回数が増える
白髪染め剤市場でトップシェアを誇るホーユー(名古屋市)は、「ビゲン スピーディーカラー」を08年9月に発売した。塗布後の放置時間が通常は20〜30分のところを10分に短縮して、不満点の第1位だった「手間がかかる」という点を改善した。同社広報担当者は、
「売れ行きは好調です。美容室で全体を染めて、伸びた部分を自宅で染めるという方が多いですが、不況で贅沢品を抑える傾向にある中、美容室に行く間隔が長くなり自分で染める回数が増えているようです。当社は美容室で使っているプロ用の商品も扱っていますが、こちらは影響が出ているようです」
と明かし、「美容室離れ」が進んでいるようだ。
読売新聞が運営する投稿サイト「発言小町」に、「白髪をたくさん発見して、自宅でやろうか、美容室で染めようか、迷っている」というトピックスが08年11月16日に立てられた。書き込んだのはフルタイムで働いている、40歳代女性だ。30歳代の頃は白髪を見つけると1本1本抜いていたが、「もうそれどころじゃないぐらいの量」に増えて困っているのだとか。
ここに、こんな意見が書き込まれている。ある女性はドラッグストアでカラー剤の一種「ヘナ」を買い、月に2回自分で染めているという。2時間近くかかる上に、液が垂れて服が汚れたり、独特のにおいが家中に充満して夫に「(芝がないのに)芝刈りした?」と言われたりと、散々だ。しかし、専業主婦で時間もあり、「自分で染めると経済的」なので続けている。
他には、手が届かない部分は夫に塗ってもらっているとか、3か月に1回、美容室で染めて、市販の白髪染め剤を併用しているという人もみられ、全体的に自分で染めている人の方が多い。
一方で、
「自分でやるほうが面倒です。しかもしょせんシロウト。美容室のように丁寧でもないし、持ちも断然美容室でやったほうがいいですから」
という意見もあった。
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