【エルサレム15日共同】イスラエル軍は十五日、イスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザの中心都市ガザ市に空爆開始以来最も激しい砲撃を加え、国連施設にも着弾した。地上部隊は市南東部に再び部分侵攻し、人口が密集する住宅地で激しい戦闘が発生、住民数千人が避難した。AP通信などが伝えた。
ハマス代表団は十四日、停戦調停役のエジプトと協議。APは、ハマスとエジプトが一時停戦案で合意に近づいたと報じた。ハマス内部にはまだ協議が必要との意見もあり、合意できるかは予断を許さない。
停戦交渉が本格化する中、イスラエルはガザ市に部分侵攻してハマスに軍事圧力をかけることで有利な条件を引き出す狙いがあるとみられるが、国連施設砲撃で国際社会のイスラエルへの反発が一層高まる可能性がある。
中東歴訪中の国連の
イスラエル国防省高官は十五日、カイロでエジプト政府高官と調停案について協議。
APが報じた一時停戦案によると、停戦期間は十日間。この期間に長期停戦に向け、ガザ境界での武器密輸を防ぐ監視態勢の構築や国際監視団派遣の是非など両者が鋭く対立している点を協議する。ハマスはこれまでイスラエル軍撤退と境界封鎖解除を停戦の前提としており、大幅譲歩する形になる。
イスラエル軍の攻撃は昨年十二月二十七日の空爆開始から二十日目を迎え、ロイター通信によるとパレスチナ人の死者は千六十七人となった。