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2009年01月16日(金) 00時01分

元副社長、脱法献金関与か 西松建設の外為法違反事件中国新聞

 準大手ゼネコン西松建設の裏金をめぐる外為法違反事件で、逮捕された元副社長藤巻恵次ふじまき・けいじ容疑者(68)が二〇〇三年六月からの約三年間、OBを代表とする政治団体から同社指定の与野党首脳らへの“脱法的献金”にかかわったとみられる管理本部長を務めていたことが十五日、分かった。

 藤巻容疑者らが裏金計一億円を香港などから持ち込んでいた時期と一部重なり、東京地検特捜部は裏金が献金に使われた可能性もあるとみて、資金の流れを調べている。

 一方、共犯として逮捕された宇都宮敬うつのみや・たかし容疑者(67)が社長をしていた西松子会社の「松栄不動産」が〇三年ごろ、東京電力の関連施設から出る砂の搬出事業をめぐり、ダミー会社を通じて福島県の建設会社に約二億円の融資をしていた疑いが強いことも判明。特捜部は裏金の一部が使われた可能性もあるとみている。

 関係者によると、政治団体は「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」。〇六年までの十二年間に献金やパーティー券購入などで計約四億八千万円を支出していた。

 西松建設の課長級以上の社員から会費を集め、献金先の指定は土木、建築の各営業本部が管理本部を通じて総務部に指示。OBが会社を訪れた際に伝えたとされる。

 〇四—〇六年の主な献金先は、小沢一郎・民主党代表や森喜朗元首相らの資金管理団体、自民党二階派の政治団体など。

 藤巻容疑者は〇三年、海外担当専務になった際に総務部などを管轄する管理本部長を兼任。〇四年の副社長昇格後も約二年間、兼任を続けた。

 政治資金規正法は、政党か政党の政治資金団体以外への企業献金を禁止。西松建設が絡んだこうした献金は、政治団体を隠れみのにした政治家個人への事実上の企業献金として、脱法性が強いと指摘されている。

 藤巻容疑者ら四人は、海外事業で捻出ねんしゅつした裏金七千万円を無届けで香港から持ち込んだとして十四日、特捜部に逮捕された。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901160064.html