自民党行政改革推進本部の公務員制度改革委員会(石原伸晃委員長)は16日午前の会合で、官僚OBが再就職を繰り返す「渡り」のあっせんや、あっせんの首相による承認を容認した政令について「党に相談なく決めたのは問題だ」として、認めない方針を決めた。
昨年12月に閣議決定したこの政令をめぐっては、渡辺喜美元行政改革担当相が自民党離党の理由の一つとしたほか、野党も厳しく批判。しかし麻生太郎首相は政令撤廃を拒んでおり、自民党と政府側の対立が鮮明になった形だ。
石原氏は会合で「手続きにも瑕疵(かし)があり容認する理由がはっきりしない。政府に政令の撤廃を求めるべきだ」と要求。河村建夫官房長官は16日午前の記者会見で「渡りを認めるのは極めて例外的で、現実的にはあり得ない」と理解を求めた。
党会合では「政府は、外国当局との交渉経験がある人材について、渡りのあっせんを例外的に認めるとしているが、それならば官僚の大半が対象になり得る」「国民に説明が付かない」などと批判が相次いだ。
首相は衆院予算委員会で渡りあっせんについて「原則として承認しない」と明言。例外として〈1〉国際機関での勤務経験が極めて豊富〈2〉外国当局との交渉に十分な知識経験を有する—などのケースを挙げていた。
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