金正日総書記(66)の後継者がついに決定? 韓国の聯合ニュースは15日、北朝鮮の金正日総書記が今月8日ごろ、三男の金正雲(キム・ジョンウン)氏を後継者に指名し、こうした決定を盛り込んだ「教示」を労働党組織指導部に出したと報じた。情報消息筋の話としており、真偽は不明。韓国情報当局者は「正しいかどうかは確認できない」と話したが、事実ならば建国者の故・金日成国家主席以来、3代続いての最高指導者の世襲となる。
3兄弟の中で最も父親の寵愛(ちょうあい)を受けているとされる正雲氏。長男、次男を差し置いてやはり金総書記のお眼鏡にかなったのだろうか。
同ニュースによると、正雲氏は1984年生まれ。2004年に死亡したとされる高英姫(コ・ヨンヒ)夫人と金総書記の間に生まれた2番目の子供で、90年代にスイス・ベルンに留学して帰国後は02年から07年4月まで金日成軍事総合大学(5年制)に「主体の領軍術」を中心に学んだが、党や軍の特別な公職に就いてはいないとみられる。
組織指導部の李済剛第1副部長が同部の課長級以上の幹部を緊急招集し、決定を伝達。北朝鮮のエリート層を中心に話が急速に広まっているという。同ニュースは、昨年脳血管疾患で倒れた金総書記が、自身の健康問題による焦りから後継者指名を急いだと分析。一方で、北朝鮮の内外情報を勘案すると、後継者体制確立の見通しには懐疑的な見方もあるとしている。
朝鮮半島情勢に詳しい辺真一・コリアレポート編集長は「指示から1週間で北朝鮮のこれだけの極秘情報が韓国で果たしてキャッチできるだろうか。金正日は信頼できるごく側近に口頭で伝えることはあっても、もれる可能性があるので文書には残さないと思う。事実であれば韓国に大変な情報筋があるということになる。信ぴょう性には合格点は出せません」と話した。
だが、その上で辺編集長は、金日成生誕100周年となる12年への布石である可能性についても触れた。「その前後に数え年で30歳となる三男に帝王学を授けておこうという考えがあるのかもしれません。北朝鮮も儒教社会ですから本来なら長男中心主義。正雲を選ぶということは長男、次男の無能をさらけ出すことにもなるでしょう」と分析した。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090116-OHT1T00086.htm