2009年01月16日(金) 20時34分
JR西が「次の震災」に備えて安全対策 津波対策や耐震工事(産経新聞)
今世紀前半に発生する可能性が高い東南海・南海地震に備えてJR西日本が、和歌山県海岸部を走る紀勢線の線路脇で、津波発生時に乗客を避難させるための標識設置を始めたことが16日、分かった。
誘導用標識は紀勢線の和歌山−新宮間(約200キロ)で、地震発生時に50センチ以上の津波が予測される計21区域に約800枚を設置。赤地に緑の矢印で最寄りの踏切までの経路を示すほか、踏切付近に自治体が定める学校や駐車場などの避難場所への道順や距離が書かれた看板を取り付ける。
JR西によると、設置のきっかけは平成17年4月の福知山線脱線事故後に始めた安全ミーティング。紀勢線の乗務員から「地震発生時に地理に詳しくない乗客を迅速に避難させる方法はないか」と声があがったためという。
政府の中央防災会議の想定によると、東南海・南海地震が発生するとマグニチュード8・6を記録し、最大で12メートルを超える津波が発生。和歌山県内には南部に最大9メートルを超える津波が来るほか、約1万5000棟の家屋が全壊、死者は約3300人にのぼる可能性があるとされている。
こうした状況を受けてJR西は、津波の高さや到達時間を記した「津波浸水地図」も作成。すでに運転士などに携帯させており、阪神大震災から丸14年となる17日に、同県海南市で標識と地図を用いて初の訓練を行う予定だ。
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