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2009年01月16日(金) 17時15分

「犬の手」借ります 災害救助犬と防災協定(和歌山)紀伊民報

 県は15日、NPO和歌山災害救助犬協会(新宮市)と防災協定を結んだ。東南海・南海地震など大規模災害時に災害対策本部が出動を要請し、効果的な人命救助を展開するのが目的。民間との協定は34件目だが、動物関係は初めて。
 遭難者の早期発見は生存率を大きく左右する。災害救助犬は鋭い嗅覚(きゅうかく)を生かし、倒壊家屋や土砂災害現場などで要救助者を捜索する訓練を受けている。
 同協会には5匹の認定災害救助犬と、訓練中で本年中に認定見込みの3匹が所属している。地元での防災訓練や啓発活動に参加。県警の嘱託警察犬としても活躍している。2007年には新潟中越沖地震の捜索活動にも加わった。
 県庁での締結式には認定犬でラブラドルレトリバーのアニー(3歳、雌)とシェパードのミック(6歳、雄)も出席。パートナーの指示に従い、調印を見守った。
 仁坂吉伸知事は「協定でより安心が増した」と感謝。榎本義清理事長は「有事はもちろん、訓練や啓発活動で連携したい。協定が災害救助犬を知ってもらい、活動の輪を広げるきっかけになれば」と話した。
 榎本理事長によると、災害救助犬の育成団体は近畿で2団体のみ。阪神大震災をきっかけに「東南海・南海地震に直面する和歌山にこそ必要では」と考え、06年2月に協会を設立したという。

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