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2009年01月16日(金) 15時19分

安否確認や施設開放など課題 大学の震災対策 京大生が聞き取り調査京都新聞

 京都大の学生が、大地震発生後の避難者の受け入れや備蓄など大学の防災対策について、京都の大学と神戸大で聞き取り調査し卒業研究でまとめた。学生との連絡や施設の開放などで課題を指摘している。
 京都大医学部保健学科4年の竹田マミさん(22)。神戸市出身で阪神大震災の経験から「大学の大規模地震災害に対する防災対策」をテーマに選んだ。
 ■飲料水備蓄、メール活用も
 京大、京都産業大、佛教大、神戸大の4大学で、震災時の教職員の対応と備蓄、学生との連絡態勢、地震に備えた訓練・教育などを担当者に聞いた。
 京産大は総合体育館が京都市から避難収容施設に指定されており、ペットボトルの飲料水を備蓄している。神戸大も今後、水や食料の備蓄を始める計画。佛大も大講堂を被災者に開放すると回答、京大は原則としては施設開放は行わない。
 学生の安否確認は、京産大が携帯電話のメールによる安否確認システムを運用しており、佛大も導入予定。京大は各学部ごとにゼミなどを通じて教員が個別に学生と連絡を取り合う、とした。
 一方で保健学科の学生による昨年の調査で、京大生の約6割は大地震発生後に大学に避難すると答えた。京大総務部は「避難を求める学生や住民に帰れとは言えない。安全を確認した上で、体育館などを開放することになるだろう」とし、安否確認も「連絡網整備を進めており、メールシステムも検討中」という。しかし、学生への連絡や施設の確認などは学部ごとの対応で混乱する可能性もある。
 竹田さんは「学生のメールアドレスの把握など、今からでもできることはあるはず」と指摘する。指導教員の野本愼一教授は「阪神淡路大震災での神戸大の経験からも大学は学生や住民を受け入れざるを得なくなる。開放できる避難場所を事前に想定するなど準備が必要」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090116-00000031-kyt-l26